元留学カウンセラーの本音

留学情報を元留学カウンセラー目線で発信していきます。

留学中に成功する子供、失敗する子供の考え方の特徴。

Classroom

17歳、高校留学中の2人の女の子から話を聞いた。

置かれた状況は全く一緒なのに、人によってこんなに受け取り方や考え方が違うものか?と頭を抱えたことがあります。

前回のブログでも同じことを記述しましたが、中学校・高校留学は『英語を学ぶ場』ではなく『英語で何かを学ぶ場』です。

 

特に留学生の多い国「カナダやオーストラリア、ニュージーランド」では、留学生の語学力不足を考慮し、先生が特別に簡単な宿題や特別授業(補習)などを設けてくれたりすることもあります。

もうこればっかりは先生の個人判断によるものなので、どの学校が特別な配慮をしてくれるかっていうのは、わかりませんが・・・

 

今回のストーリーでは、先生から特別課題をもらった二人の生徒の話をまとめてみました。

 

カナダ留学中 Aちゃん(17歳)の国語の授業のケース

Aちゃん本人:『ここの国語の学校の先生って本当に差別的なんです。私と他の中国人と韓国人の学生だけ席を離されて、授業でやってないプリントを渡されて、それを教室の隅で読んで解いてるだけなんです。で、他の生徒と一緒に授業を受けたいって言っても、「あなたには難しすぎる」って言われて、結局プリントだけ渡されてそれやんなきゃいけない感じ。しかも、周りはアジア人ばっかりだから全然英語の勉強になってないし。これじゃいつまでたっても勉強にならない。』

 

Aちゃん母:『なんでAだけ隅で授業をしなきゃいけないんですか?しかも周りが中国人とか韓国人ばっかりじゃ全然英語の勉強にならないし、このままだとこれから学校生活やっていけるか不安です。』

 

後から先生に話を聞いてみたところ以下のような回答が。

Aちゃんの学校の先生:『まだAは、今のクラスにそのままついていけるほど英語力が高くないんです。普通に授業を受けてても、何が起こってるのかさっぱりわからないだろうから、比較的な簡単なプリントを渡して、まずはそれを解いてもらってます。』

 

先生の授業の意図は、あくまでもAちゃんの語学力を配慮して行われたものだったんですね。

 

ニュージーランド留学中 Bちゃん(17歳)の数学の授業のケース

Bちゃん本人:『聞いてください!私の学校の先生って本当に優しくて、すごくよくしてもらってるんです。今の数学の授業では、私の英語のレベルだと理解できないことも多いから、別紙でプリントを渡してくれるんです。本当に助かってます。』

 

Bちゃん母:『先生方がすごい良い方々で安心してます。Bの英語力がやっぱりまだまだ足りないから、それを考慮してみんなより簡単なプリントを渡してくれるんですって。』

 

Aちゃん、Bちゃんの2つの違い

Aちゃんは、先生が一方的な差別をしてると感じていて、Bちゃんは先生がBちゃんに対して配慮してくれていると感じています。

 

1、コミュニケーション

後からはなしを聞いてみると、なんで自分だけ別紙のプリントを渡されたのか、Bちゃんは自分で先生に確認しに行き、Aちゃんはよくわからないまま授業を受け続け、先生にもその理由を聞けなかったようです。

全体的にBちゃんの方が先生とのコミュニケーションの質が高いことがわかりました。

Aちゃんは、『なんでこの書類を私に渡すんですか?』という簡単な質問ができなかったんですね。それが後々になって悶々と不快な気持ちを抱える結果につながったのだと思います。

 

2、プラス思考

これは性格や過去の経験値の問題でもありますが、プラス思考だったからBちゃんは先生に授業内容の理由が聞けたし、Aちゃんはすでに先生の授業に不満を感じてたから、先生が私に良い態度をとってない(差別的だ)と決めつけた状態だったから、先生に別紙で渡されたプリントの意図を聞くのが怖かったんだと思うんですね。

これもコミュニケーション不足が影響しています。

 

留学中の本人ができること

とにかくコミュニケーションを取ることですね。

いやいや、当たり前でしょって思ってる人も多いと思うんですが、これ海外に行くと意外にできないもんなんです。留学中に言語が違う、文化が違うから自分が成功できないっていうのは、ただの言い訳。

 

で、具体的にこの『コミュニケーション』って何か、というと以下の3点。

・常にちゃんと挨拶(ハローとかなんでもいい)

・わかんない時にわかんないって言う

・「なんでこうしてるのか」物事の意図を確認する

 

親としてできること

子供の大変な姿をみたり聞かされたりすると、助けたくなる。これって親として普通の感情だと思うんです。ましてや親が経験したことがない海外留学生活で、自分の知らない範囲のことを乗り越えてるかと思うと、胸が苦しくなっちゃいます。

でも「可哀想だからなんとかしたい」っていうのは、全然お子さんのためにならないです。

親だからこそ、子供の話を聞いて(愚痴の吐け口役に徹する)、子供の性格を理解して、「それって先生に聞いてみた?」「もしかしたら、先生はこう思ってるのかもよ?話してみたら?」と冷静に次の行動を提案してあげるのが、留学中の子供にできる親の役目なのかな、と感じます。

実際それができてる親御さんのお子さんは楽しい留学生活を送れてますからね。

 

「弱音は吐くけど、自分で解決できる子」として見守ってあげることが親としてベストなのだと思います。

 

エージェントとしてできること

『お金を払ってるんだから、問題を全部解決して!!!!』と思ってるご家族の方も多いと思うんですよね。

上記のようなコミュニケーション問題のケースって、会社としてはかなりできることが少ない。

お客さんにサービスを受ける権利は絶対あるので、そこは親としてこういうケースの場合どうしたらいいか、過去にそういうケースがあったのか、というのを聞いて見る=情報収集の場 と考えてエージェントを利用したほうがいいと思います。

まともなエージェントであれば、親の意見や話は絶対聞いてくれると思います。